2012年7月12日木曜日

薬効野菜 ゴーヤ



薬効野菜 ツルレイシ

分類 ウリ目 ウリ科 ツルレイシ属  ツルレイシ var. pavel

和名 ツルレイシ、ニガウリ
英名 Bitter melon
ツルレイシ(蔓茘枝、学名:Momordica charantia var. pavel)は、
未熟な果実を野菜として利用するウリ科の植物である。また、その果実のこと。

和名の「ツルレイシ」は、イボに覆われた果実の外観と、完熟すると仮種皮が甘くなるという
2つの形質が、ムクロジ科の果樹であるレイシ(ライチ)に似ていることに由来する。
つまり、蔓性の植物体に実るレイシの意味である。
また、果肉が苦いため「ニガウリ」とも呼ぶ。
農学・園芸学ではツルレイシを用いることが多いが、
生物学では近年ニガウリを用いることが多い。

沖縄本島ではニガウリのことを「ゴーヤー」と呼ぶのが一般的であるが、
沖縄料理ブームの影響もあり、全国的に見ると「ゴーヤー」または
「ゴーヤ」を使用することが多くなっている。
「ゴーヤ」という呼称が普及していった経緯は諸説ある。中国語では 苦瓜 や 涼瓜

(lianggu?、リァングア)などと呼ばれ、日常的に食用にするだけでなく、
焙煎してお茶として飲用することもある。
また、英名の bitter melon も苦い瓜の意味である。

九州・南西諸島各地に地方名があり、
沖縄県では沖縄本島(首里・那覇方言や今帰仁方言など)で「ゴーヤー」、
宮古島(宮古方言)で「ゴーラ、八重山(八重山方言)で「ゴーヤ」、
熊本県をはじめとする九州の大部分では「ニガゴリ」、
鹿児島県奄美大島では「トーグリ」、長崎県諫早地方、鹿児島県本土では
「ニガゴイ」などと呼ばれている。
諫早地方では「ニガウイ」の名称も併用される。
以上のように多くの名称が用いられているが全て同じ種類の植物で、
つまり標準和名ツルレイシ(蔓茘枝、学名:Momordica charantia var. pavel)である。
ただ、広く流通する現代では幾つかの栽培品種が存在し、
品種によって苦味の強さにも差があり、
九州地域で栽培されてきた細長い品種は苦味が強く、
沖縄地域で栽培されてきた太いものは苦味が穏やかである傾向がある。
前者の細長い品種を「ニガゴイ」ないし「ニガゴリ」、
後者の太いものを「ゴーヤー」と栽培されてきた地域のそれに習い、
呼び分ける場合もある。

特徴
つる性の一年生草本。
成長すると長さ4~5mになる。果実は細長い紡錘形で長さ20~50cm、
果肉を構成する果皮は無数の細かいイボに覆われ、両端は尖り、
未成熟な状態では緑、熟すと黄変軟化し裂開する
(収穫しても、常温で放置しておくと同じ状態となる)。
完熟した種子の表面を覆う仮種皮は赤いゼリー状となり甘味を呈する。腐敗しているわけでは

なく食すこともできるが、歯ごたえのある食感は失われる。元来野生状態では、
この黄色い果皮と赤くて甘い仮種皮によって、
果実食の鳥を誘引して種子散布を行っていたものと考えられる。

原産と栽培地
原産地は熱帯アジア。日本では南西諸島と南九州で多く栽培されているが、
今日ではさらに広い地域での食用栽培が盛んである。沖縄県産がシェアの3割を占める。
なお、1990年までは沖縄本島産のものが、
1993年までは八重山産のものがウリ類の大害虫ウリミバエの拡散防止のため、
域外への持ち出しが禁止されていた。
不妊虫放飼によるウリミバエの根絶に成功したことにより、
沖縄県外へ出荷することが可能になり、沖縄県における生産量の拡大につながった。

成分
ツルレイシ (煮た物、水抜き、無塩)

100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 79 kJ (19 kcal) 炭水化物 4.32 g  糖分 1.95 g
 食物繊維 2.0 g 脂肪 0.18 g  飽和脂肪酸 0.014 g
一価不飽和脂肪酸 0.033 g     価不飽和脂肪酸 0.078 g
タンパク質 0.84 g
水分 93.95 g
ビタミンA相当量 6 μg (1%)
ビタミンB1 0.051 mg (4%)
ビタミンB2 0.053 mg (4%)
ビタミンB3 0.280 mg (2%)
ビタミンB6 0.041 mg (3%)
葉酸(ビタミンB9) 51 μg (13%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 33.0 mg (40%)
ビタミンE 0.14 mg (1%)
ビタミンK 4.8 μg (5%)
カルシウム 9 mg (1%)
鉄分 0.38 mg (3%)
マグネシウム 16 mg (4%)
リン 36 mg (5%)
カリウム 319 mg (7%)
塩分 6 mg (0%)
亜鉛 0.77 mg (8%)

独特な苦味があるので、好き嫌いが分かれる野菜として知られ、
種子に共役リノレン酸を含むことが知られている。
主に未成熟な果皮を食用とし、ビタミンCなどの水溶性ビタミンを多く含むことや、
健胃効果もある苦味(苦味成分として、モモルディシン(momordicin)、チャランチン

(charantin)、コロソリン酸を含む)のため、近年では夏バテに効く健康野菜・
ダイエット食品としての認知度が上がり、日本全国で栽培されるようになった。

研究
基礎研究で抗ウイルス、抗炎症、コレステロール低下の作用、
動物実験での糖尿病改善効果の報告があり、糖尿病患者の空腹血糖値、食後血糖値、
耐糖能の改善効果が認められた。
また抗がん作用(白血病、乳がん)、ラット結腸の突然変異誘発物質の変異原性の抑制が
確認されている。

注意点
サプリメントとしての利用に際し、糖尿病罹患の人は主治医に相談する。
血糖降下作用が発現しやすい子供、高齢者は注意が必要。
妊娠中の摂取は避ける。糖尿病薬服用の人は血糖値降下の相加作用に注意。

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