2019年1月8日火曜日

韓国経済、CPTPPを再飛躍のステップにすべき

韓国は参加を決めれば参加できるとでも、参加には11カ国全体の
同意が入るのだが、11カ国のうち日本とメキシコだけFTAを
結んでない、それが、何を意味するかわかってないわ~な。

韓国経済、CPTPPを再飛躍のステップにすべき(1)
2019年01月07日09時42分 [中央日報/中央日報日本語版]

昨年末、2つのニュースが入ってきた。
日本、カナダ、ベトナムなどアジア・太平洋地域11カ国が参加した
環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定
(CPTPP)発効と大韓民国の歴史上初めてとなる
輸出6000億ドル達成だ。
記録的な輸出増加で韓国は昨年、貿易1兆1000億ドルという
新しい歴史を築いた。
世界7位の貿易大国の韓国は今年も巡航するのだろうか。

韓国経済は1997年の通貨危機以降、最も厳しい冬を送っている。
経済を支える貿易が今年も韓国を支えられるかどうか疑問だ。
新たな輸出の歴史にもかかわらず、未来は過去の延長線にはないと
いう懸念が多い。
輸出増加の裏で表れている増加率縮小と半導体錯視現象がその懸念を
代弁している。
輸出増加率は一昨年の15.8%から昨年は5.5%に下落した。
昨年の後半に入るほど縮小傾向は強まった。
半導体を除けば昨年の輸出増加率は0.6%にすぎない。
半導体の輸出も2017年は57.4%増、18年は29.4%増と、増加幅は半減した。
半導体輸出増加率は昨年初めは前月比40-50%だったが、
9月は28.3%、11月は11.6%に下落し、昨年12月には
-8.3%となった。
月別半導体輸出がマイナスに転じたのは2016年9月以来
2年3カ月ぶりだ。

  ◆企業任せの韓国、主力輸出品が危機

韓国の最大市場の中国と米国の経済バブルが消えて本格的な
下降局面に入ったという景気循環的な側面と、米中貿易戦争という
構造的な側面が重なり、韓国の貿易戦線に激しい逆風が吹いている。
いま「韓国号」の航路に吹く逆風の中を生産性向上と革新的製品だけで巡航するのは力不足だ。強風はすぐには収まらないからだ。

半導体好況は終わり、自動車、ディスプレー、通信機器など他の
主力輸出品は中国の追撃を受け、市場シェアを守ろうと死闘している。中国が40年前に改革・開放に旋回し、1992年の韓中国交正常化
以降、韓国企業の爆発的な中国投資で始まった
「中国工場(Factory China)」モデルは、
過去25年近く韓国製造業の外縁を拡張させたが、現在、状況は
急変している。韓国経済運用方式の「中国工場」時代が終わっている。

第4次産業革命と呼ばれるデジタル転換期の世界史的な変曲点を迎え、中国が野心的な技術崛起戦略を前に出した時から、韓国の主力製造業には暗雲が漂い始めた。中国に投資した韓国企業は市場確保のために
技術を交換する中国方式を受け入れなければならず、韓国企業の
投資が増えるほど中国の技術獲得レベルも急激に高まった。
韓国主力輸出品が一斉に直面しているものは過去の累積の結果だ。
中国は国家的戦略として持続的に産業政策を推進してきた半面、
韓国は各企業に任せてきた。その差が累積し、韓国の主力輸出品に
危機をもたらしたのだ。

  ◆世界バリューチェーンから地域バリューチェーンに変化

中国の技術崛起で競争が厳しくなった韓国にとって米中貿易戦争は
衝撃だ。米中貿易戦争は中国を世界経済体制に包容して中国の変化を
誘導しようとしていた米国の戦略が失敗したことを認め、中国を
孤立させて中国の覇権追求を阻止しようという米国の動きだ。
したがって米中貿易戦争は妥協点を見いだすのが容易でない。
休戦はあっても終戦はないだろう。
米中貿易戦争の持続はグローバル化の波に乗って形成された
世界バリューチェーン(Global Value Chain)を
瓦解させる。その代わり地域バリューチェーン(Regional 
Value Chain)の時代が到来すると予想される。
発効したCPTPPに注目する必要がある理由だ。

CPTPPは日本、豪州、カナダ、ベトナムなど
アジア・太平洋11カ国が参加した自由貿易地帯だ。
人口5億人以上、世界国内総生産(GDP)の12.9%、
貿易量の14.9%を占める。
参加国の経済規模でみると世界で3番目に大きい経済ブロックだ。
貿易で生きる大韓民国、世界貿易7位であり貿易依存度が
先進経済圏で最も高い国の大韓民国がCPTPP参加を
考慮しなければ、それはむしろおかしい。

CPTPPは新しいものではない。現在は11カ国でスタートしたが、もともとは米国が主導した環太平洋経済連携協定(TPP)を
母体としている。
米国のオバマ政権が対中国牽制戦略の目的で推進したTPPは
2012年に日本が電撃的に交渉に参加し、中国の
東アジア地域覇権追求に対抗する日米同盟の様相を帯びた。
2015年10月にTPPは妥結したが、2016年に
米国大統領選挙と重なって米国の国内批准という関門を通過できずに
いた。
力の論理に基づく2国間主義を好むトランプ大統領が大統領に
当選したことで米国はTPPから離脱したが、残りの11カ国は
そのまま残ってCPTPPに合意し、昨年批准手続きを進めて発効に
至った。

韓国経済、CPTPPを再飛躍のステップにすべき(2)

 ◆韓国、粗雑な論理でCPTPP不参加

日本の参加でTPPが過去最大規模の自由貿易協定交渉になった
2013年初めからCPTPPが発効した現在まで韓国政府の態度は
消極的だった。
韓国がTPP交渉に参加する機会の扉が開かれた2012年の
李明博(イ・ミョンバク)政権の最後の年から2013年に発足した
朴槿恵(パク・クネ)政権まで、韓国政府は韓国のTPP参加を
中国の反対側に立つというフレームに自らを閉じ込めた。その結果、
韓国の立場は悪化し、さらにTHAAD(高高度防衛ミサイル)
国内配備に対する中国の報復も受けた。

2017年5月に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権にとって
CPTPPはレーダー圏外にあった。
文政権を含む歴代政権はTPPやCPTPPに参加しても実益が
大きくないという点を不参加の理由にした。
TPP、CPTPP参加国は日本とメキシコを除いて韓国とすでに
FTAを締結しているということだ。
このため韓国のCPTPP参加は日本とFTAを締結するのと
変わらないという主張がある。

政府はCPTPPに参加するかどうかを昨年決めると明らかにしたが、年を越した。
何が韓国政府をためらわせるのか。農産物と水産物の追加開放が負担となっている。
経済状況も厳しい中、農漁村の反発を招く政治的な冒険を
敢行するのは難しい。
FTAを擁護してきた大企業も消極的だ。
日本市場で惨敗した自動車分野は反対を明確にしてきた。
「輸出は良く、輸入は悪い」という重商主義フレームで接近すれば、
問題の本質は見えなくなる。

関税率でFTA交渉の有利不利を問いただせば、韓国より低い
関税率の米国や欧州連合(EU)とはなぜ不利なFTAをしたのか
説明がつかない。FTAは新しいゲームのルールを作ることだ。
過去の歴史が未来の現実になるという「線形的」な思考では歴史の
流れを変えることができない。
資本・流通網を備えた先進国と競争すれば負けるという被害意識の
ままなら、今の韓流ブームは可能だっただろうか。
国産映画の義務上映日数を減らせば韓国映画がつぶれると言っていた
スクリーンクオータの場合、2006年に半分に減らしたが、
韓国映画はさらに強くなり多様化した。

  ◆ニューノーマル時代の韓国の生存戦略を悩むべき

日本車が押し寄せてくるので韓日FTAに反対するというのは
国内自動車業界には反対の論理になるかもしれないが、消費者と
革新を考慮すべき政府当局者が口実にすることではない。
自動車生産世界5位の韓国の消費者は、なぜ国産自動車を米国より
高く購入しなければいけないのか不満を抱いている。
長期間にわたり韓国市場を閉鎖して国産車だけを販売してきた結果、
雇用継承に固執する労働組合や生産性を超越する超高賃金を招いた
ことに対し、消費者は怒りを表している。
公正を叫ぶ時代の精神はどこにあるのか。

公正・革新を強調する政府なら、韓日FTAを恐れる理由はない。
国内市場にさらに競争を取り入れ、国内価格のバブルを除けば、
消費者の実質所得を増やすことができる。
競争を促進して消費者主権を強め、生活の質を改善できるビジョンを
込めてこそ、韓国は前に進むことができる。

言葉だけで「人間中心の経済」を叫んでも庶民の生活は良くならない。CPTPPを輸出機会の確保、経済領土拡張で包装すれば、それは
決して勝つことができない戦いを始めることだ。
包容的成長を渇望する時代の精神にも合わない。
これまでの数多くのFTA締結にもかかわらず生活必需品の
体感価格が下がらないことに対し、韓国の消費者は疑問を感じている。もう開放の恩恵は消費者に向かうようにしなければいけない。
開放の効果を独占してきた中間流通段階に生じているバブルを
取り除いてこそ可能だ。輸入製品と国産製品の競争、国産製品間の
競争を消費者は強く望んでいる。企業も同じだ。
公正な競争、競争の活性化があってこそ、創業の基盤が形成され、
革新成長も始めることができる。

CPTPPに参加して韓日FTAを推進するのは、最悪の関係で
放置されてきた韓日関係を新しい地平に引き上げる韓国の戦略的な
選択だ。
覇権を追求する中国の野心が具体化し、技術崛起で韓国の未来が
脅かされているが、対策も立てずに傍観することはできない。新年、
韓国のCPTPP参加議論は、輸出・輸入の有利不利を問いただす
以上のものにならなければいけない。
ニューノーマル時代、韓国の生存戦略を苦心する大きな絵と
連係させてこそ、混沌とした時代に希望の未来を約束できる。
文在寅政権は真実の門の前に立っている。

崔炳鎰(チェ・ビョンイル)/梨花女子大国際大学院教授/
韓国国際経済学会会長/リセットコリア通商分科長

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