2014年11月28日金曜日

落選か、元首相管直人

二年前か、前回の衆議院選で中華のネチズンも驚いていた。
聴衆もなく、みかん箱のうえで一人群集に訴えていた前回、鳩山由紀夫は早々と
引退し小沢一郎は危機感を感じての側近を民主党に復党させ、盟友の仙石由人は
引退し、孤立無援だな。
写真を見る限り最悪ではないか、田舎の選挙狂いが限りなく当選することのない
変人が選挙運動をやっているような光景だ。

「菅直人の復活に期待する会」の受付になぜか「取材はご遠慮ください」の貼り紙 
「非常に手応え」本人は謎の自信
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菅直人元首相の必死の訴えにも足を止める有権者はほぼいない
=26日午前、東京都府中市(阿比留瑠比撮影)

衆院選公示を来月2日に控えた25日夕、東京都内のホテルで政治資金パーティーが

開かれた。
その名は「菅直人の復活に期待する会」。
この手のパーティーは取材フリーなのが常識なのだが、元首相で元民主党代表という
立場にもかかわらずなぜか非公開だった。
受付にはご丁寧に「取材はご遠慮ください」と大書されていた。

 「なぜ取材させないのか。何か後ろめたいことでもあるのか?」

取材陣はこう詰め寄ったが、事務所側は「今回はダメなんです」の一点張り。
その間にも法政大の山口二郎教授、ジャーナリストの高野孟氏ら“民主党応援団”が
続々と扉の向こうに吸い込まれていく。先日、
不出馬表明した元官房長官、仙谷由人氏の姿もあった。

「まるで秘密結社みたいだな」と思って眺めていると、テレビでおなじみの
朝日新聞の星浩特別編集委員が制止もされずスルリと会場に入っていくではないか。
「それならば私にも取材させてほしい」と求めたが、事務所側は
「彼は(菅氏との)個人的なつながりで来た。マスコミとしてではない」と
譲らなかった。ふ~ん。個人的な関係ね…。

結局、この日はSP(警護官)を引き連れてトイレに入る菅氏の姿を見ただけだった。
× × ×

そもそもパーティーの名目である「菅直人の復活」とは何を意味するのか。
究極は首相の座に返り咲くことだろうが、およそ現実的とは思えない。
多くの国民もそれを望んではいまい。

菅氏は、民主党で鳩山由紀夫元首相、小沢一郎元代表(現生活の党代表)と
トロイカ体制を敷き、「党の顔」として君臨してきたが、今は見る影もない。

平成24年12月の前回衆院選では、東京18区(武蔵野・府中・小金井の各市)で、自民党の土屋正忠氏に1万超の票差で敗れ、比例復活で何とか議員バッジを
つなぎ留めた。

その後は「反原発の闘士」を自任。翌25年7月の参院選では、民主党の公認を
外れた無所属候補を支援して党員資格停止3カ月の処分を受け、党最高顧問の役職も
解かれた。

今年4月には、トルコなどへの原発輸出に関する原子力協定承認案の衆院採決を
無断欠席した。桜井充政調会長(当時)は「党の方針と異なる運動をするのであれば
党を離れて活動すべきだ」と離党を促したが、馬耳東風。もはや党幹部が
「今度変なことをしでかしたら次は切る」と公言するほどの“お荷物”となっている。

   × × ×

それでも復活を望むならば、まずは小選挙区で勝ち、元首相の威厳を示さぬことには

話になるまい。

パーティーから一夜明けた11月26日午前7時、菅氏は冷たい雨が降りしきる
東京都府中市のJR北府中駅前で、ビニール傘を片手に辻説法を始めた。

「原発ゼロ実現」の幟(のぼり)を背に、菅氏は東京電力福島第1原発元所長、
故吉田昌郎氏の聴取記録「吉田調書」に言及した。

「吉田さんは調書の中で『東日本が壊滅する』との言葉を残しています」

吉田氏が調書で、菅氏を「馬鹿野郎」呼ばわりして激しく批判したことには触れず
終いだった。続いて
菅氏は安倍晋三首相をナチス・ドイツのヒトラー総統を何度もなぞらえ批判した。

「集団的自衛権の解釈変更を閣議決定した安倍さんを見て私はヒトラーの行動を頭に

浮かべた。なぜドイツは
ヒトラーの独裁政権になったか。やり方がそっくりなんですよ!」

ちょっと待ってほしい。「議会制民主主義とは期限を区切った独裁」と断じ、
首相時代は数々の法令を平然と無視し、超法規的存在として振る舞ったのは
一体誰だったか。東日本大震災と原発事故という未曽有の災禍が襲いかかる中、
政府機能を麻痺状態に追い込んだ張本人ではなかったか。

辻説法は1時間余に及んだが、立ち止まって耳を傾けた人は皆無。
ほとんどは菅氏の姿が見えないかのように無関心に通りすぎた。

菅氏と握手を交わしたのは2人だけ。うち1人は事務所関係の知人のようだった。
菅氏と写真を撮った人が2人いた。その1人は20歳の女子大生。
「菅氏を支持しているんですか?」と聞くとこう即答した。

「いいえ違います。今年有権者になったので、ちょっと興味があって…」

それでも菅氏は演説後、居合わせた記者数人に「手応えは非常に感じています…」と

謎の自信を示した。

一方、菅氏と4回目の対決となる土屋氏はこう語った。
「今回ははっきり決着をつけたい。最後の決戦だ。
お互いの年齢的にも負けた方は引退だ…」

市民活動から政界に身を投じ、一世を風靡したこともある菅氏は復活の
狼煙(のろし)を上げるのか。それともこのまま埋没していくのか。
この衆院選で東京18区は民主党の将来を占う意味でも最大の注目区といえる。



【阿比留瑠比】(あびる・るい)産経新聞社政治部編集委員。
平成2年、早稲田大卒業後、入社。
文化部、社会部などを経て政治部。政治面でコラム「極言御免」を連載中。
主著に「破壊外交-民主党政権の3年間で日本は何を失ったか」「政権交代の悪夢」

など。福岡県出身。48歳。

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