2015年5月18日月曜日

本能がままの中華

ジョージ・マカートニー『中国訪問使節日記』
ジョージ・マカートニー(坂野正高訳)『中国訪問使節日記』東洋文庫277, 
平凡社, 1975.
ところが、中国人は航海術について並み外れて無知であるために、海岸でしばしば難破して行方不明になる。なぜなら、中国人はヨーロッパ人を知るようになってから二百五十年以上経過しているにもかかわらず、またわれわれの船や航海ぶりを見て讃嘆するくせに、どんな些細な点でも、船の構造や操縦方法をまねしたことがない。頑固に相も変わらず、無知な先祖の古い習慣や不器用なやり方に固執しているのだ。この国ほど船舶操縦技術を必要とする国はないのだから、このような怠慢さ加減はそれだけ一層異常というべきである。 (p. 33)

イザベラ・バード(金坂清則訳)『中国奥地紀行』平凡社, 2002年.
Isabella L. Bird, The Yangtze Valley and Beyond: An Acount of Journeys in China, Chiefly in the Province of Sze Chuan and Among the Man-tze of the Somo Territory, 1999.
中国の町のごろつき連中は、無作法で、野蛮で、下品で、横柄で、自惚れが強く、卑劣で、その無知さ加減は筆舌に尽くせない。そして、表現することも信じることもできないような不潔さの下に暮らしている。その汚さといったら想像を絶するし、その悪臭を言い表せる言葉は存在しない。そんな連中が日本人を、何と、「野蛮な小人」と呼ぶのである!(1巻, 381頁)

オバマ政権くみしやすし?中国が“逆説教” 
米の懸念表明に「中立約束したはずだ」
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17日、北京の人民大会堂で握手を交わす中国の習近平国家主席(右)と
ケリー米国務長官(共同)

【北京=矢板明夫】ケリー米国務長官は16日から17日にかけて、
習近平国家主席、王毅外相、范長竜・中央軍事委員会副主席ら中国要人と
次々と会談し南シナ海での人工島建設の懸念を表明したが、
中国側に一蹴された。
来年に米大統領選挙を控え、レームダック化しつつあるオバマ政権が本気で
中国と対立することはないと判断し、習近平政権は当面の緊張緩和よりも
政権交代前に、外洋拡張を進めたい思惑がありそうだ。

中国メディアなどによると、17日にケリー長官と会談した習主席は、
「米中間に新型大国関係を構築すべきだ」との持論を滔々(とうとう)と
述べ、南シナ海の埋め立て問題を問いただそうとしたケリー長官の質問を
ほとんど無視した。
これに先立ち、16日午後にケリー長官と会談した中国軍制服組トップの
范氏は「米国は領土問題で中立な立場を取ることを約束したはず。
言動を慎むべきだ。
中米関係と南シナ海の安定に利することをやってほしい」とケリー長官を
逆に“説教”した。

米国に対し中国がここまで強気な態度を取る背景には、日米両政府が4月に
合意した新防衛協力指針(ガイドライン)に「中国封じ込めの意図がある」
(共産党筋)ことへの不満があるほか、中国にとって「くみしやすい」
オバマ政権のうちに外洋拡張を図る思惑があるとの指摘がある。

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北京の米国問題専門家によれば、中国からはオバマ政権は外交や安全保障より
内政を重視する政権にみえるという。「アジア太平洋回帰」と
宣言しながらも、東シナ海と南シナ海での中国の拡張にほとんど有効な対策を
取らなかった。
次期米政権の対中政策が読めない今、中国としては中国の権益を少しでも
拡大したい。人工島建設は今後も進められるとみるのが妥当だ。

ケリー氏の訪中について、この専門家は「南シナ海問題で強い姿勢を
取っているようにみえるが、東南アジア諸国に対するポーズの側面が大きいと
中国の指導者がみているはず。9月に習主席訪米を控え、米国側は中国との
本格的対立を避けたいと中国は米国の足元をみている」と説明した。

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