2015年12月7日月曜日

寄稿】「中進国のわな」に陥った韓国経済

いつもながらの名文、名記事という所ですか、しかし間違っている、
根本的に間違ている。
1960年代から、ジワリ、ジワリと成長して今日、壁にぶつかり足踏みして
尚もそれにきずかないとは・・、韓国財閥創業者の多くは日本語世代だろう。
全ては教育なんだよ・、国民教育なんだな。
まずは、国民を豊かにすること、国民を豊かにしてその余剰を輸出に
まわす、これが経済の基本だ。
   
【寄稿】「中進国のわな」に陥った韓国経済

米次期大統領の有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官が5年前、
米中経済戦略会議で引用したことで有名になった2000年前の中国の故事が
ある。「逢山開道、遇水架橋」
(山にぶつかれば道を開き、水にぶつかれば橋を架ける」という
故事成語で、「三国志」の中で赤壁の戦いに敗れた曹操が
不屈の意志を吐露したものだ。

先月会った世界最大のプライベートファンド、ブラックストーンの
スティーブン・シュワルツマン会長からも似たような言葉を聞いた。
中国の景気低迷の影響が深刻化しているが、中国経済の底力は新興起業家に
よるチャレンジ精神にあり、米国経済のリーダーシップはシリコンバレーの
ような強い創意性、ソフトパワーにあるとの指摘だ。

金融市場の関心は16日に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを決定するか
否かに集まっている。
2006年以来の利上げが確実視され、今後も追加利上げが予想される中、既に
中国の景気低迷や原材料価格暴落で危機に直面している新興国は直撃を受け、世界経済の回復はさらに遅れる見通しだ。
さらに人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)構成通貨と
なったことで、世界の通貨戦争が過熱し、国際金融秩序の
再編も加速している。

世界経済の荒波の中で「大韓民国号」は座礁している。
成長をけん引してきた輸出が11カ月連続で減少し、企業の売上高は史上
初めて前年比で減少した。


日本と根源的技術の面で格差が広がり、中国には猛烈に追い上げられ、
韓国の主力産業の国際競争力は崖っぷちに追い込まれた。
来年をピークに生産年齢人口が減少し、経済は先進国入りを果たせないまま、人口構造だけが先進国型へと悪化し、韓国経済の活力はさらに
低下することになる。

経済思想家ピーター・ドラッガーは
「真の起業家精神が21世紀の唯一の生き残り戦略だ」と述べ、
「創造的破壊」を主張したヨーゼフ・シュンペーターも果敢で持続的な
革新だけが成長の動力だと言い切った。最近米ワシントンで
発表された「2015アムウェイ世界起業家精神報告書」によると、
世界44カ国で韓国の起業家精神順位は28位で、インドや中国などアジアの
新興国に比べ大きく劣った。

韓国経済の活力回復は大企業の経営革新なくしては不可能だ。
韓国経済で絶対的な割合を占めている財閥系大企業から創業者の
チャレンジ精神を学び、国内外で果敢な投資戦略を実行に移し、
選択と集中という先制的な構造調整で産業競争力を高めていかねばならない。過去10年間で世界500大企業に入った韓国企業の数が9社から4社に
半減したことは、世界競争力低下の深刻さを物語っている。
内外の厳しい経済状況で突破口を切り開くためには、中心的大企業による
主導的な役割が求められる。

積極的な経営リーダーシップを取れるというオーナー経営のメリットは
生かしつつ、改善も急ぐべきだ。
株式時価総額がかつての2位から20位近くにまで後退した鉄鋼大手ポスコは
韓国企業の限界を如実に示している。一方、
最近のロッテ経営者一族で兄弟間の経営権争いが起きたことからも
分かるように、経営システムの透明性欠如というぜい弱な支配構造は
投資家の信頼を失い、企業の推進力を低下させる。
ドイツ経済の7%を占めるフォルクスワーゲンの排ガス不正スキャンダルも
支配構造の重要性を改めて考えさせる。
正しい起業家精神と良好な支配構造は互いにぶつかるものではなく、
補完関係にあり。

起業家精神と社会的責任はコインの裏表だ。躍動性と創意性が起業家精神の
必要条件ならば、社会的責任感と道徳的義務感は十分条件だ。
フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ氏は先週、時価5兆円を
超える自社株を生涯かけて寄付していくと表明したことは、よりよい
世の中をつくる責任が企業経営者にはあることを示している。
雇用創出だけでなく共同体的価値を高める企業の社会的責任は
包容的資本主義の発展を促進する役割を果たす。
「冷静な頭と温かい心は両方必要だ」という英経済学者
アルフレッド・マーシャルの言葉が我々には警句として聞こえる。

起業家精神の育成は国益を尊重する政治・社会環境下で可能となる。
規制緩和や労働改革など急務の法案処理を無視する国会の無責任や年間の
研究開発支出を上回る無理な準租税負担は投資意欲を冷え込ませる。
不法デモが相次ぎ法治が崩壊する貧弱な土壌で生産的な起業家精神が
生まれるはずはない。クリーンな政治と革新的な起業家精神を結合して
成し遂げたシンガポールの「神話」は示唆するところが少なくない。

2015年も暮れを迎え、韓国経済が「中進国のわな」にはまるのではないかと

いう警告音が高まっている。
このままでは20代と30代の人が社会の主役となる2030年代の潜在成長率は
1%台に落ち込み、政府債務が急増してしまう。
青年たちの間では「ヘル朝鮮」(地獄という意味のhellと朝鮮の合成語)、
「泥のスプーン」(不平等の最下層という意味)といった流行語が
広まっている。
そうした言葉に込められた青年たちの怒りと挫折を熱情と勇気に変える
責任が上の世代にはある。国を生き返らせ、未来の世代の希望を
与えるためには企業経営だけでなく国家経営も真の起業家精神へと
生まれ変わらなければならない。

全光宇(チョン・グァンウ)延世大教授(元金融委員長)
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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