2016年3月14日月曜日

韓国は東アジアの「火口」になってはならない

まあね、好きなように解釈すればいいさ、はた目には自決権の概念もない
強国の庇護にすり寄る事大主義にしか見えないが・・・・!!

【コラム】韓国は東アジアの「火口」になってはならない
米中対立は地下でのみうごめくわけではない安全保障の
「オーバーシューティング」で南・東シナ海の
マグマまで噴出させてはならない

言語には、思考を閉じ込める力がある。
本紙が「韓国戦争」という単語をできるだけ使わないのも、そのせいだ。
小学生のころ学んだ通り、6・25戦争(朝鮮戦争)は南北の内戦ではなく、
米ソ中英仏など当時の全ての大国が関与し戦後の冷戦秩序を規定した、
世界史的な戦争だった。
「韓国戦争」という単語は、思考をローカルな空間に閉じ込める。
思考が閉じ込められると、本質を見ることができず、誤った
教訓を引き出すことになる。

6・25が国際戦争になったのは、大国がからむ韓半島(朝鮮半島)の
国際性のためだった。当時、まさに北朝鮮の政権が、
こうした特性を見過ごしていた。
だからこそ「速戦即決で南を接収できる」と公言したのだろう。ところが
北朝鮮は、韓国のほか16カ国を相手にしなければならなかった。
満州に追い払われる直前、中国を引き込んだことで、ようやく自分たちの
土地の特性を悟ったのかもしれない。
北の愚かな失敗は、南にも大きな教訓を残した。韓半島の
運命は、誰かの意志だけで決めることはできない、というものだ。

逆のケースも同様だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記の
暴政がここまできたら、直ちに北朝鮮指導部と核基地を攻撃し、
休戦ラインを突破して、北の同胞を救うのが正しい。
「われらの土地、われらの同胞なのに、誰が遮るだろうか」という主張にも
正当性はある。しかし、
そうすることはできない。戦うのが怖いからではない。
大国の同意なき現状変更は、大国を呼び込むからだ。そうなると、
何も得られない。
韓半島の地政学的現実がそうなのだ。
正当性や名分がどれほどあろうと、66年前に北朝鮮が犯した愚かな誤りを、誰

も繰り返してはならない。

6・25当時、東アジアの火口は韓半島だけではなかった。
台湾に対する中共の全面侵攻は秒読み段階にあった。日本は、
米国の占領終結後にソ連が侵攻してくることを恐れた。
「イデオロギー対立」というマグマが、台湾や日本で噴出しても
おかしくなかった。この状況で、
韓半島の火口が開いた。台湾海峡に集結していた中国の兵力が鴨緑江に
移動し、米国は日本に軍需基地を置いた。
韓国は廃虚と化したが、台湾は生き残り、日本は繁栄した。

大国の対立は、今も続いている。
米ロ対立は、既にウクライナで戦争という形で噴出した。米中対立もまた、
地下でのみうごめくわけではないだろう。
現在の東アジアの火口は、南・東シナ海と韓半島の計3カ所。数年前は
東シナ海がぐらぐらと煮えたぎり、最近は南シナ海が熱い。
北朝鮮の核をめぐって、韓半島も温度を上昇させている。

中国の当面の目標は、
南・東シナ海ルートを確保して太平洋に進出することだ。ここで
日本とベトナムが中国と対立している。
これらの国々は、韓半島問題をめぐる最近の米中対立に口をつぐんでいる。
その沈黙の意味を読まなければならない。
韓半島の対立が、自国の沖合にまで拡大するのではないかと恐れているのだ。

その国々がそうしているように、韓国も、その方面に手を出してはならない。

最も警戒すべきは、内部の論理にとらわれ、南・東シナ海に蓄積された
対立のエネルギーを韓半島の火口から一挙に噴出させてしまうことだ。

韓国にとって米国は「血盟」だ。3万6574人の米軍将兵が韓半島で命を
落とした。
韓国が北朝鮮との軍備競争を避け、こんにちの繁栄を享受できるのも、
在韓米軍のおかげだ。借りを返すには程遠い。とはいえ、対立まで
代理することはできない。

同盟の限界はどこにあるのだろうか。
韓国は、韓米同盟の本質から明確にすべきだ。米国が、中ロを相手にする
「アジアのパートナー」と規定している国は日本だ。
韓国の立場は、時代によって揺らいできたが、北朝鮮を抑える
「地域パートナー」という立場を越えたことはない。いわば、
日本の後背地だ。
日本列島は、中・ロの東アジア海上ルートを同時に封鎖している。
日本にロケット技術を丸ごと与え、プルトニウムの生産・保有を認めると
いう米国の恩恵は、こうした地政学的価値から来ている。従って、
アジアで米中対立をまず代理すべき資格と責任は、日本にある。

「オーバーシューティング」という金融用語がある。
衝撃が発生したとき、金融市場のプレーヤーが過度に反応する現象のことを
指す。
過敏な反応は徐々に鎮まり、新たなバランスへと収束する。
市場はこのとき、山場をつくり出す。相手のオーバーシューティングに、
ハチの群れのように飛び掛かって利益をかすめ取るのだ。
最もオーバーな反応をした者が、最も大きな損害を被る。
安全保障のオーバーシューティングは、損益だけでなく生死にまで
関与しかねないというところが違う。

きのう、韓国政府が北朝鮮制裁を発表した。
開城工業団地の稼働中止を含め、取り得る圧迫手段は全て動員した。
残るは、しっかり履行することだけだ。同時に、韓国政府の対策の中に、過敏

な反応に当たる部分がないかどうかも
チェックしなければならない。
表に出さず静かにやるべき重要な課題も選別し、推し進めなければならない。

韓半島は国際的な空間だ。
こういう国の指導者には、時としてずる賢さも必要になる。それでこそ
「活火山の火口」役を避けることができる。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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