2016年5月18日水曜日

沈んでしまえ、幽霊船、~~

もうすでに、無風だ、なす術がなかろうよ・・・・・・
何だか日本に来て経済元年だとか騒いでいるが、日本を頼るな・・、
何にも云わず沈んで行け、

【コラム】大韓民国は幽霊船になるのか(1)
2016年05月18日11時26分 [中央日報/中央日報日本語版]

キリスト教分派の1つであるクエーカー教徒だったハム・ソクホン先生の
韓国戦争(朝鮮戦争)体験記だ。
大邱(テグ)の大きな教会に避難民が集まったが「イエスを信じない人は
受け入れない」と言っていたが、後になって
「キリスト教徒を先に受け入れよう」と言ったという。
人ごみにまぎれて入ろうとごまかす者まで出てきた。すると教会は真偽を
選別するめ主祈祷文を暗記する試験を受けさせた。
先生は50年後に「それで主祈祷文を書けと教えてくれたのか」と一喝した。

韓国戦争は数百万人が犠牲になった地獄の体験だった。
両班(ヤンバン)だと大声を上げた人も、生きている間は口にクモの巣を
はるまいと荒仕事をしたり空き缶を持ってもの乞いをしたりした。
イエスは敵を愛せと教えたが、教会は救援の手段である祈祷文を差別の武器と
して使った。
お金も「後ろ盾」もない民衆は避難列車に席がなく屋根に乗って落ちて
亡くなったが、高官はピアノや応接セットに犬の食器まで載せた。
人間の威厳を守る廉恥と道徳は立つ瀬がなくなり、お金と権力が
“両大神”になった。

戦争が終わって63年が過ぎたが、私たちはいまだに心理的な避難民として
生きている。
お金や権力がなければ、こびることでもしなければ生きられないという強迫感が
支配している。
5年間で239人の命を奪った加湿器殺菌剤事件がそれを悟らせてくれた。
生存被害者は「リビングのセウォル号事件」と呼ぶが適切な命名だ。
304人を水葬させたセウォル号は2時間半で沈没し、
「リビングのセウォル号」は22年かけて徐々に沈んだ。
1994年に国内企業が世界で初めて加湿器殺菌剤を開発して以降、事故を
防ぐ7回の機会があったが管理・監督責任がある政府はいずれも逃した。
そんなことをしておきながら環境部長官はついに謝罪を拒否した。国民は今、
誰を信じて生きるべきかと問うている。

加湿器殺菌剤の製造・販売社であるオキシーから支援金をもらって有利な
意見書を書いた容疑で拘束された教授は、オキシーの法定代理人である
大手ローファームが歪曲を主導したと主張する。
オキシーが大手ローファームの諮問を受けて検察に提出した77ページの
意見書には
「春季の黄砂と花粉が死亡者の肺疾患の原因でもある」と記されている。
初めての死亡者が確認されてから5年が過ぎるまで検察は捜査に入らなかったし、マスコミは絶叫する被害者らを見ても沈黙していた。

お金と権力、専門知識を持つ集団が絡まり合って作り出した不条理劇だった。
私は罪人の気持ちで反省する。
お金と権力の乱暴な疾走は、今も終わっていない。
オーナー企業家は経営難で倒れていく会社からお金を引き抜いて自分の血族の
「仕事の通行税」を獲得するかと思えば、暴落直前の株式をこっそりと
売り払った。
このように恥知らずに駆け寄ってきて数十億ウォンずつ飲み込みながら、国民の
血税を投じて会社を生かしてほしいと手を差し出せるのか。この頃うまく
行っているローファームは、力のある親を見て戦略的に採用した
ロースクール出身の「金の箸とスプーン」の弁護士を、親の力がなくなった後に
放出できず苦悩中だという。
自分だけ生きるために廉恥と道徳を捨てた避難時代と何が変わったのか。

それならばほかの人々は、いったいどのように生きているだろうか。1人あたりの所得700ドルの世界最貧国ネパールの「ラーメン王」である
億万長者ビノード・チョードリーは昨年4月、強震が発生すると私財をはたいて
被災者に家屋1万軒分を作った。彼は「ある社会で蓄積した富ならば、
その社会のために使われなければならない」と話す。

シアトル市は米国で初めて来年まで時間あたりの最低賃金を15ドルに
引き上げることにした。
この運動を主導した人は億万長者であるITベンチャー企業家の
ニック・ハナウアーだ。
サンフランシスコとロサンゼルスを含むほかの都市もシアトルの影響を受けて
最低賃金を引き上げている。
ニューヨーク・タイムズは企業家兼市民運動家を自任している彼を
「抵抗的な億万長者(billionare heading to barricade)」と呼ぶ。
稼いだ金の90%以上を社会に還元するといったマイクロソフトの
創業者ビル・ゲイツは「社会主義の億万長者
(socialist billionare)」とも呼ばれる。
彼は相続税の廃止に反対し、法人税の増税に賛成している。
彼らは「私腹だけ肥やそう」といって避難時代にとどまっている韓国の賎民の
資本主義を嘲弄している。
15世紀後半に開かれた大航海時代の風はまさに命だった。
風が消えた海の帆船はびくともせずに、飢えて亡くなった船員たちの骸骨が
ごろごろする幽霊船にもなった。今、
大韓民国は1492年の新大陸航海を終わらせて帰還したコロンブスが
20日間の苦闘の末に抜け出したサルガッソ海の無風地帯に閉じ込められた
身上ではないか。
それならば民心の政権の審判から誕生した第20代国会は、どうにかして変化の
風を起こさなければならない。
それができなければ市民が乗り出してお金と権力の恥知らずなカルテルを
破壊し、新しい規則を定めて反則王をリングから引きおろすほかはない。
それこそ大韓民国が巨大な幽霊船に転落する境遇から逃れさせる道だ。

  イ・ハギョン論説主幹

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