2017年1月6日金曜日

文明に翻弄される、悲しみの国~~

この、朝鮮日報の論説主幹、よくこれだけの事が云える、他の論説委員とは
一風変った論説を論ずるわ~~な。
主幹だから、他の委員のトップに入るのだろうが、なぜもっと自国の危機感を
国民に伝えないのか、
100年前か、いや150年前よな、隣国の宗主国と帝政ロシアの脅威に
右往左往して、半島がしっかりしなければ日本も危ないと云う事を日本は
判っていたが肝心の国は判らぬまま今に至っているのだが、
北の共産主義者と云えども同族だ、思想がどうのとかはどうでもいいのだ、
この国の最大の悲劇は朝鮮民族に文明をもたらすほどの悲劇は無い~~。
   
【コラム】韓米同盟の解消、韓国人に覚悟はあるのか

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の辞任を求めるキャンドル集会が最高潮に
達していた頃、ある元野党議員が記者に
「大統領が権威を失い、その権限も行使できなくなった状況で、毎週
土曜日に数十万人の市民が集まり大統領の辞任を求めている。
これは国家非常事態に当たるのではないか」
「北朝鮮がいつ軍事挑発を仕掛けてくるか分からない国で、このような
政治の空白に加え、数十万人がデモに参加するというのは非常に深刻な
事態だ」「ところがこの非常事態に祭り感覚で家族がデモに参加し、
記念写真を撮影し、歌手の歌を聴き、歩きながら食事して楽しむことが
どうやって可能になるのか」と語り掛けてきた。

記者は「警察は強制排除をしないし、市民意識も高いからではないのか」と

答えた。するとこの元議員は「それだけでは説明がつかない」とした上で
「警察が鎮圧を行わず、市民意識が高ければ、それだけでこの国は安全と
言えるのか。
今北朝鮮が突然攻めてきたら、われわれは自分たちの力でそれを阻止
できるだろうか。あるいはできると信じる国民はどれくらいいるだろうか」と再び問い掛けてきた。さらに「デモに参加する市民の中には、
北朝鮮の脅威を深刻に考えている人はいないだろう。
もし韓米同盟がなければ、こんなことはしていられないはずだ」と主張した。

この元議員の言葉通り「もし韓米同盟がなければ、在韓米軍が今この地に
なければ、大統領の過ちを責める行動がこれほど平和でなおかつ自由に
できるだろうか」と記者も自分自身に問い掛けた。
野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表は
「(憲法裁判所で弾劾が棄却されれば)革命を起こすしかない」と言ったが、これは「デモに参加している市民が大統領を強制的に辞任させるべき」と
いう意味でもある。
本当に韓米同盟がなければ、あるいはそれ故休戦ラインの状況を常に
心配しなければならない状況であれば、文氏が言ったようなことを簡単に
口にできるだろうか。おそらくできないだろう。

空気はこの地球上のどこにでも存在している。
そのため普段は空気の存在を意識することはあまりない。しかしそれが
なくなると人間は生きていくことはできない。
世界で最も危険な休戦ラインからわずか60キロしか離れていないソウルの
光化門広場において、いきなり砲弾が撃ち込まれるようなことを全く心配も
せず、デモによって大統領を弾劾訴追できるのは、安全を保障してくれる
韓米同盟があるからだ。
われわれはそれを空気のように、あるいは水のように「あって当然」と
考えているが、その水や空気に感謝する人はあまりいない。

今野党は米国の最新鋭地上配備型迎撃システム
「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備について再検討を主張している。「中国の利益に反するから」というのがその理由だ。
THAADは韓米両国の軍事施設はもちろん、有事の際に米国の増援部隊が
やって来る港湾などを守るためのものだ。
われわれが同盟国の米国ではなく、中国をより重視するとなれば、米国は
この国をどう考えるだろうか。
そのことを想像するのはさほど難しいことではない。

野党は「政権を握ったら開城工業団地も即時再稼働する」と主張している。

これは北朝鮮に対する制裁にわれわれ自ら穴を開けることを意味するもので、

米国との合意を完全に覆すものだ。
政権を取れば米国よりも北朝鮮を先に訪問するという声も聞こえてくる。
要するに彼らの外交・安全保障政策は韓米同盟に反対し、
これを危うくすることでしかないのだ。
彼らは韓米同盟があるおかげでこの国の安全保障について何ら心配せず、
キャンドル集会に便乗できているのだが、ところがその彼らが先頭に立って
韓米同盟を危険にさらす発言や行動をしている。
自分が立っているこの地を自分で崩壊させようとしているのだ。
彼らは勇敢なのか、それとも愚かなのだろうか。

われわれは韓米同盟が永遠に存在するものと思い込んでいる。
われわれが何を主張し、あるいは何が起こっても「それはある」と
考えている。国際関係を自らの観点でしか考えられない習慣は、自分たちを
自分の血を流して守ったことのない国ではよくあることだ。

野党は「米国がこの国にいるのは米国が必要だからそうしている」と
考える。しかし
米国は実は韓米同盟など望んでいない。
米国はあのつらい6・25戦争(朝鮮戦争)の影響からもう抜け出したいと
思っている。
米国はあの戦争がいつ再発するか分からないと考えており、それが
現実となって再び巻き込まれることに嫌気が差しているのだ。しかも日本や
オーストラリアのように韓国は何があっても守るべき価値のある国でも
ないため、拘束力のある防衛条約の締結を米国自ら考えたことはない。
このような現実を韓国の李承晩(イ・スンマン)大統領が時には
気が狂ったように、あるいは強情な態度で、あるいはびっくりするような
事件を起こすことで変えてしまった。
韓米同盟に乗り気でない米国を李承晩大統領が無理やり引き込み、判を
押させたのだ。

米国の外交政策は韓国政府の政策に一喜一憂することも、また影響を
受けることもない。
韓米同盟がこれまで存続できたのは米国にとって利益があるからではなく、
いわゆる価値同盟だったからだ。韓国が発展すれば、それは米国にとって
自分たちの外交政策が正しかったことの証明になり、あるいは戦争で
血を流したことへの見返りにもなる。
つまり米国の支援を受け自由民主主義国として発展に成功した韓国との
同盟は、単に利益があるから締結したというものではないのだ。しかし
米国の次の大統領はトランプ氏だ。彼は全てを取引や交渉、あるいは利益に
なるかどうかで判断する。

トランプ氏が大統領に就任した後も韓米同盟がこれまで通り存続するか、
あるいは危機的状況となるかは今はまだ分からない。しかし
はっきりしていることは、彼が「価値」ではなく「利益」を重視する
人物であり、そのため韓米同盟は今後「空気」や「水」のようなものでは
なくなるということだ。空気が
「あって当然」でなくなれば、周りの全ての環境が変わってくるだろう。
その状況に耐えられる実力や覚悟、あるいは戦略があればよいが、もし
ないのならわれわれは自重しなければならない。

楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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