2019年4月16日火曜日

【社説】金正恩氏の侮辱に反論できずただ言いなりの文大統領

文大統領は故郷に自由に行き帰りがしたいのだろう。



金正恩氏の侮辱に反論できずただ言いなりの文大統領

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日に韓国大統領府で行われた
首席・補佐官会議で
「(韓国)政府は南北関係と朝米関係における善の循環、
国際社会からの支持や協力強化など、韓半島(朝鮮半島)の
平和秩序を構築する責任と役割を果たしたい」
「今後も必要なことはいとわない」などと述べた。

ベトナムのハノイで行われた2回目の米朝首脳会談が決裂した影響で、韓国政府が掲げてきた「仲裁者論」は米朝双方から事実上拒絶された。また米議会上院では
「韓国は米朝の仲裁者ではなく米国の同盟としての役割を
果たすべきだ」との声が上がり、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は

「差し出がましく『仲裁者』や『促進者』のように行動するのでは
なく、民族の利益を擁護する当事者になるべきだ」などと厳しく
指摘された。
北朝鮮の核開発による最大の被害者である韓国が、加害者である
北朝鮮の側に立てと金正恩氏から要求されたのだ。

「差し出がましい」という表現は要するに
「自分の立場をわきまえず先立って口出しするな」と
言われたようなものだ。
親しい友人の間でも普通はこんなことは言えないだろう。
金正恩氏が文大統領に「差し出がましい」と指摘したとすれば、
これは韓国国民に対する侮辱でもある。
金正恩氏は文大統領が必要なときは3回抱き締める社会主義国式の
あいさつで愛情を表現したが、文大統領の言葉がトランプ大統領に
受け入れられないと分かるとたちまち非難を始めた。
それでも文大統領はこのような侮辱に対して何も言えず、金正恩氏の
要求通り「仲裁者」という言葉を使わないで
「韓半島の運命の主人」としての役割を果たしたいという。
これまで金正恩氏のソウル訪問について大言壮語していたかと思えば、今度は「北朝鮮の事情に合わせる。
場所や形式にこだわらず南北首脳会談を開催したい」と言いだした。
もちろん対話のために柔軟な姿勢を示すことと、国家のトップとして
原則を守るのは両立できないことではない。




文大統領は「金正恩氏は韓半島非核化と平和構築に対する確固とした
意志を重ねて表明した。
これまでと変わらない意志を高く評価する」とも述べたが、
金正恩氏の演説のどこにこんな言葉があるのだろうか。
金正恩氏は「根本的な利益と関連する問題では一切の譲歩や妥協は
しない」と述べ、また
3回目の米朝首脳会談については「一度応じる意向はある」と
しながらも「ハノイ(2回目の米朝首脳会談)よりもよい機会を
得るのは難しいだろう」との考えも明確にした。
金正恩氏は自らがハノイで提示した「制裁解除の見返りは
くず鉄となった寧辺廃棄」から一切譲歩する考えはなく、逆に米国に
対して「考えを改めよ」と主張している。
これが文大統領の語る「非核化への確固たる意志」なのか。
文大統領は金正恩氏の何を高く評価しているのだろうか。

韓国は北核の脅威に対する最大の被害者であるだけに、
核廃棄に向けては常に全力を尽くさねばならない。
それには漠然とした「希望思考」を捨て、冷静、透徹、正確な
現実認識に基づいて行動しなければならない。ましてや
国内における政治的な意図を持って北核や外交問題を
利用してはならない。
文大統領が金正恩氏の要求通り動こうとする理由は、もしかすると
この南北イベントの次に控える国会議員選挙、そして大統領選挙の
勝敗がこれに懸かっているという強迫観念があるからではないか。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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