2012年8月8日水曜日

薬草 薬効果物 カリン マルメロ



薬草 薬効果実 カリン マルメロ(ともにバラ科)

カリン 分類 バラ科 ナシ亜科 ボケ属 カリン
和名 カリン(榠?、花梨)
カリン(榠?、学名:Chaenomeles sinensis)とはバラ科の落葉高木である。
その果実はカリン酒などの原料になる。マメ科のカリン(花梨)とは全くの別種である。
カリン属(=マルメロ属CydoniaまたはPseudocydonia)のカリンはマルメロである

マルメロ 分類 バラ科 ナシ亜科 マルメロ属 マルメロ
和名 マルメロ
マルメロ (Cydonia oblonga, 榲?) はバラ科マルメロ属の落葉高木。
マルメロ属はマルメロのみの一属一種である。カリンとも呼ばれるが、
ボケ属 (Chaenomeles) のカリンとは異なる。
カリン
別名、安蘭樹(アンランジュ)。中国では「木瓜」と書く。
ギリシャ語の「chaino(開ける)+melon(リンゴ)」が語源で、「裂けたリンゴ」の意味。
果実は生薬名を和木瓜(わもっか)という(但し和木瓜をボケやクサボケとする人もあるし、

カリンを木瓜(もっか)とする人もいる。これらカリン、ボケ、クサボケは互いに
近縁の植物である)。
原産は中国東部で、日本への伝来時期は不明。花期は3月?5月頃で、5枚の花弁からなる
白やピンク色の花を咲かせる。
葉は互生し倒卵形ないし楕円状卵形、長さ3?8cm、先は尖り基部は円く、縁に細鋸歯がある。
未熟な実は表面に褐色の綿状の毛が密生する。
成熟した果実は楕円形をしており黄色で大型、トリテルペン化合物による芳しい香りがする。

10~11月に収穫される。
実には果糖、ビタミンC、リンゴ酸、クエン酸、タンニン、アミグダリンなどを含む。
適湿地でよく育ち、耐寒性がある。
花・果実とも楽しめ、さらに新緑・紅葉が非常に美しいため家庭果樹として最適である。
語呂合わせで「金は貸すが借りない」の縁起を担ぎ庭の表にカリンを植え、裏にカシノキを
植えると商売繁盛に良いとも言われる。

利用
カリンの果実に含まれる成分は咳や痰など喉の炎症に効くとされ、のど飴に配合されている
ことが多い。
渋く石細胞が多く堅いため生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工される。
加熱すると渋みは消える。

加工
砂糖漬け 果実酒1 アルコール度数の高い酒にスライスしたカリンを漬け込む。

薬用
果実は生薬名を和木瓜。
古くから民間療法でのどの炎症を抑える、咳止め、利尿に利用。
種子に含まれるアミグダリンが加水分解した成分ベンズアルデヒドが、
咳止効果(ただし、アミグダリンは加水分解により猛毒のシアン化水素も発生するため、
国立健康・栄養研究所などが注意を呼びかけている)。

マルメロ
中央アジア原産。
カリンやボケに近縁な果樹で、栽培が盛んな長野県諏訪市など一部の地域では「カリン」と
呼ばれている。
リンゴや西洋ナシとも比較的縁が近い。果実は偽果で、熟した果実は明るい黄橙色で洋梨形を

しており、長さ7-12cm、幅6-9cmである。
果実は緑色で灰色~白色の軟毛(大部分は熟す前に取れる)でおおわれている。
漢字で書くと、木瓜。葉は互生、長さは7-12cm、幅6-9cmで白い細かな毛で覆われている。
花は春、葉が出た後に咲き、大きさは5cm、色は白またはピンクで5枚の花弁がある。
果実は芳香があるが強い酸味があり、硬い繊維質と石細胞のため生食はできないが、
カリンと同じ要領で果実酒(カリン酒に似た、香りの良い果実酒になる)や蜂蜜漬け、
ジャムなどが作れる。
成熟果の表面には軟毛が少し残っている場合があるので、よく落としてから切って調理する。

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