2016年8月24日水曜日

リオ五輪、韓国後日談

夢に描いた五輪のマラソンフルコースを完走した猫ひろしは、
両腕あげてニャーセレモニーを繰り広げた。 そして
日本の取材陣に向かって「やり遂げた。私がやってのけた」と叫んだ。 

まあね、日本もマラソンは今停滞期だ、韓国も停滞期と云うよりも、興味がないのだろう。
いい例がゴルフ、
五輪のメインは何と言っても陸上競技だ、
ゴルフなんぞでメダルとっても何の意味も無い。

百メートルを走る事、砲丸や、円盤や、槍を投げる事、こういう競技が
五輪の真髄だ、そして何よりも「五輪の花」は古代マラトンの丘で
ギリシャ軍の勝利をギリシャに伝えた一介の兵士に由来したマラソンだ。
だからマラソンは陸上競技最終種目、五輪の最終種目なのだ。

【萬物相】お笑い韓国マラソン

身長151センチという瀧﨑邦明選手は日本で活躍するお笑い芸人で、
芸名は猫ひろしだ。持ちネタは小さな体で「ニャー」と叫ぶ猫のまねだ。
マラソンに挑戦するバラエティー番組に出演したのがきっかけで、
走る楽しさにすっかりハマった。
「国籍を変えて五輪に出てみたら?」と言われて、2011年に
カンボジア国籍に変更した。
08年に初めて出た東京マラソンで3時間48分を記録。
五輪出場の夢をかなえたリオでは2時間45分で、出場した140人中、
ビリから2番目だった。
それでも39歳のマラソンランナーは拍手喝采(かっさい)を浴びた。

専門家に聞いてみると、
「お笑い芸人だからといってバカにしてはならない選手だ」と言われた。
フルマラソンを3時間以内で完走する「サブ3」はアマチュア選手にとって
夢の記録だ。
血の汗を流すような努力が必要な上、そうした努力をしたからと言って
必ずできるわけではない。
高校時代には校内マラソン大会で優勝したことがあるという。それにしても
自己最高記録2時間27分は立派だ。39歳という年齢にしてマラソンに
専念している選手に劣らない情熱と体系的なトレーニングがなければ、
到達するのが難しい境地だ。

このお笑い芸人の「無限挑戦」により、彼と最下位争いをした
韓国代表2人はなおのこと面目丸つぶれだった。
138位になった韓国人選手の記録は猫ひろしよりを3分上回るだけだ。
いろいろと事情はあっただろう。2人はかかとや太ももに痛みを
感じたという。監督は
「選手村の食事が口に合わず、調整も失敗した」と言った。だが、食事が
合わない選手は1人や2人ではないだろうし、調節失敗は選手の責任だ。
1カ月半後の全国体育大会(日本の国民体育大会=国体に相当)を前に
体力を温存したのではないかと疑う声もあるほどだ。

韓国陸上界は世界のレベルとはかけ離れた「孤島」とも言われている。
苦労ばかりでカネにならない国際大会に挑戦するよりも、全国体育大会の
メダルを取って楽に暮らしているのを皮肉ってのことだ。
年俸1億ウォン(約900万円)をもらっている選手もいるし、チームを
転々として契約金を稼ぐケースもある。
「韓国新記録に何億ウォンという報奨金を懸けるのではなく、
達成できそうな記録に懸けてほしい」という甘えた要求をする声もある。
そして、派閥争いも絶えない。

黄永祚(ファン・ヨンジョ)氏(1992年バルセロナ五輪マラソン優勝者)や

李鳳柱(イ・ボンジュ)氏(96年アトランタ五輪2位)といった逸材を懸命に

育成していた韓国マラソン界の成功モデルはもはや機能していない。
有望選手の芽は早い時期に摘まれてしまう。
小中の陸上競技大会にはプロサッカーやプロ野球のスカウトたちがやって
来て、有望な子どもがいないかと目を光らせる。
日本は10年以上にわたる長期プロジェクトで有望な子どもを見つけ、
スター選手に育て上げる。日本に行けば、駅伝やマラソンに注がれる
日本人の国民的関心が我々韓国人の想像をはるかに超えていることが分かる。故・孫基禎(ソン・ギジョン)氏(36年ベルリン五輪マラソン優勝)が
もし見ていたら、お笑いのような今の韓国マラソン界を嘆くかもしれない。

閔鶴洙(ミン・ハクス)論説委員・スポーツ部次長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

リオ五輪:25歳の韓国代表、39歳の猫ひろしと激しい最下位争い

韓国がこれまでオリンピックの陸上競技で唯一メダルを獲得した種目は
マラソンだ。今年は故・孫基禎(ソン・キジョン)氏が1936年の
ベルリン・オリンピックのマラソンで優勝してからちょうど80年目となる
節目。孫基禎氏の後も
徐潤福(ソ・ユンボク)氏、咸基鎔(ハム・ギヨン)氏、
黄永祚(ファン・ヨンジョ)氏、李鳳柱(イ・ボンジュ)氏ら
韓国のマラソン選手たちはオリンピックなどの国際大会で大活躍し、国民に
希望と感動を与えてきた。

ところが22日に行われた「オリンピックの花」ともいわれる
男子マラソンで、韓国は非常に残念な結果に終わった。
韓国選手の成績はソン・ミョンジュン(サムスン電子)=22=が
2時間36分21秒で完走者140人中131位、
シム・ジョンソプ(韓国電力)=25=が2時間42分42秒で同じく138位に
終わった。これは韓国選手として過去最低の成績だ。
テレビ中継では、カンボジアに帰化して今回の
リオデジャネイロ・オリンピックに出場した日本のお笑い芸人・滝﨑邦明

(猫ひろし)氏=39=が話題になったが、滝﨑氏は2時間45分55秒の
タイムで139位だった。韓国代表選手たちは、年齢が40歳近くの日本の
お笑い芸人と最後まで競争していたのだ。

競技終了後、シム・ジョンソプは「スタート前からかかとに痛みがあり、
体も重かった」とコメントし、ソン・ミョンジュンは「13キロ地点を
過ぎたあたりから太ももの後ろに痛みが走った」と述べるなど、
明らかに準備不足だった。

ファンの間からは「日本は男子400メートル・リレーでジャマイカの
ウサイン・ボルトと競争し銀メダルを獲得したが、韓国の
マラソン選手たちは日本のお笑い芸人と最下位争いをしていた。
信じられない」などの声が出ている。
あるファンは「(1996年のアトランタ大会で李鳳柱が銀メダルを
獲得してから)20年以上もメダルが取れないことが問題ではない。
国民が願うのは韓国代表としての誇りと気質だ」と述べた。

陸上競技の専門家たちは「(韓国選手たちは)基本的に肉体面、精神面での

準備が不十分な状態でオリンピックに出場したようだ」
「岐路に立つ韓国陸上界の現状がそのまま反映された結果だ」などと
指摘している。

崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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