2017年4月30日日曜日

49歳・上杉謙信も倒れた脳卒中

今日は4月末日、馬鹿な北朝鮮がまたミサイルを発射したが、米国か・・
何処かのジャミング攻撃で空中爆発、発射失敗が連発中~~~
朝一番半島を離れて、後期高齢者の私にも大いに関係有る「血圧」の
お話~~

49歳・上杉謙信も倒れた脳卒中 高血圧治療が当時あれば…

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適切な血圧コントロールを心がけよう

みなさん、初めまして。私にとって記念すべき1回目は
「脳卒中と高血圧」について、お話しします。
「卒中」は中国から渡ってきた言葉で、
卒然として邪風に中(当)たる=突然悪い風にあたって倒れるという
意味です。
昔から中風、中気、卒中といわれてきました。
歴史上の人物で有名な上杉謙信も死因は脳卒中とされ、
厠(かわや)(便所)で倒れて昏睡(こんすい)状態となり、そのまま
亡くなったそうです。

このように、脳卒中はある日突然襲ってくる恐ろしい病気です。
現在の医療技術をもってしても重篤な後遺症を残し、寝たきりや介護を
要するようになることも少なくありません。

脳卒中はがん、心臓病、肺炎に次いで、死因の第4位になっています。
脳卒中にはいくつかの種類があり、脳の血管が閉塞(へいそく)する
「脳梗塞(こうそく)」と、脳の血管が破れて出血する「脳出血」や
「くも膜下出血」があります。
わが国ではかつて脳出血が7割を占めていましたが、1970年代から
脳梗塞が脳出血よりも多くなり、現在では脳卒中の約3分の2が
脳梗塞です。

高血圧は、脳出血はもちろん、脳卒中の最も重要な危険因子です。
高血圧治療で、脳卒中の発症率は有意
(統計上、偶然とは思えない可能性がある状態)に減少し、
脳卒中の予防には血圧管理が非常に重要です。

では、適切な血圧値=単位はmmHg(水銀柱ミリメートル)=とは
どれぐらいでしょうか。高血圧治療のガイドラインでは

通常の血圧は収縮期140未満、拡張期90未満、
後期高齢者では収縮期150未満、拡張期90未満が

目標とされています。

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しかしながら、病院で血圧を測定すると緊張して通常よりも血圧が
高くなることがしばしばあります。
最近は家庭血圧が重要であることが分かり、できるだけ家庭血圧の
測定を勧めるようになっています。

血圧は朝の起床時1時間以内で薬の内服前、朝食前に測定するのが
よいとされています。座って1~2分間、深呼吸などで落ち着いた
状態にした後、2回連続で測定し、その平均値を記録します。
家庭血圧の目標値は診察室の血圧よりも5低く、通常は

収縮期135未満、拡張期85未満、
後期高齢者では収縮期145未満、拡張期85未満が

目標とされています。

前述の上杉謙信は天正6(1578)年3月9日、遠征の準備中に
春日山城内の厠で昏睡状態となりました。
温暖な和歌山と違い、雪国の越後ではまだまだ寒い時期だったでしょう。暖かい室内から寒い厠に行くと血管が収縮し、急激な血圧上昇を
起こします。さらに厠でいきんで血圧が上昇したのかもしれません。

謙信は高血圧性脳出血により、数え49歳でこの世を去ったと
考えられています。
高血圧治療が当時にあれば、謙信はもう少し
長生きできたかもしれません。
脳卒中は予防することが重要です。日頃から血圧を気にして、
適切なコントロールを心がけましょう。

(和歌山県立医科大学 脳神経外科 講師 八子(やこ)理恵)

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