2018年5月9日水曜日

文政権の現実対応と大いなる矛盾、黒田勝弘

まア、80%と云うのは異常だわ~な、大統領選で40数%の
支持で当選した人間が其れほど実積が無いのに高い支持率は
異常としか思わないが、国内では失業率がまたあがってるし、
国も家計債務も増え、なぜか米国と日本にスワップを
切望してるらしいが、やはり崩れて行くのは経済か~~??
今ドルイド・キング事件騒動が有るが、この支持率も操作、
されてるのか

文政権の現実対応と大いなる矛盾 黒田勝弘
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韓国の文在寅大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長
(新華社=共同)

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日、日本を訪れる。
日中韓サミットのためだが、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の
訪日がなかったことから韓国首脳としては久しぶりだ。
人口5千万の国で年間700万人が日本を訪れている隣国の
首脳が、6年以上も日本訪問がなかったとは、非現実的で
異常もいいところである。

文大統領は今、北朝鮮問題をめぐって国際的に話題の
人物である。
国内的にも80%を超える支持率を誇っている。
野党時代の言動などから左派イメージが強く、反日的との
見方がもっぱらだったが、訪日を機にある種の“再評価”が
必要かもしれない。

日本で広がっている反韓・嫌韓感情は慰安婦問題にかかわる
韓国側の執拗(しつよう)な日本非難が背景にあるが、
文大統領は前政権下の「日韓合意」については、野党時代に
主張していた破棄や再交渉論は否定している。

「合意」に不満を語りながらも新たな対日外交要求は控えると

いう、現実的な外交的配慮である。
労働団体などが日本への嫌がらせで釜山の日本総領事館前に
立てようとした「徴用工像」を認めなかったのもそうだ。
今回の訪日を前にした対日配慮といえる。

対北朝鮮問題では金正恩(キム・ジョンウン)
朝鮮労働党委員長を“板門店会談”(国際舞台)に引き出した
ことで内外の称賛を浴びている。
国内の保守派は「金正恩に利用されているだけ」と冷ややかで
「前任者2人を投獄した南の首脳と、兄や叔父を無慈悲に
殺害した北の首脳のお似合い会談」などと皮肉る声もあるが、
「非核化」要求を堅持しつつトランプ大統領まで“その気”に
させた功績は大きい。

当初は「反米では?」と思われていたのが今回、米国の懐に
飛び込み、信用を得ながら米朝首脳会談にまで
持ち込みつつあるのは見事な現実対応である。

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左派・革新政権として文大統領の師匠にあたる
盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領(2003~08年)は、
政権当初は「米国を怒らせて何が悪い」とか
「北朝鮮の核開発には一理ある」などと威勢よく
反米・親北カラーを出して物議をかもした。

彼も金正日(キム・ジョンイル)総書記との南北首脳会談を
やっているが、最後は米韓FTA(自由貿易協定)を締結し、
米国の要請に従いイラクへの戦闘部隊派兵もOKしている。
後にこうした自らの変化を「実用主義」と説明している。

ただ文大統領の場合、対話攻勢への大転換という
金正恩氏の“変化”にうまく遭遇したという背景はあるものの、内外で称賛されている喜びの余り、このまま対北融和策という
左派・革新政権の“理想主義”で突っ走る可能性がある。

脱北者団体筋によると、韓国内では早くも金正恩体制打倒を
主張する脱北者たちに対する当局の監視が強まっているという。大型風船による対北宣伝ビラ活動も当局によって急に
阻止されるようになった。

文政権は「非核化」で北に与える見返りは「体制の保証」だと

いうが、その「北の体制」とは兄・叔父殺しを含む政治的、
社会的暗黒の独裁体制である。したがって体制保証を
前提にした対北融和策は、独裁大嫌いで人権・民主主義が
大好きな左派・革新政権としては大いなる矛盾なのだ。

そこで保守派は文政権に対し「ゆくゆく韓国を北の体制に
従わせようとしているのではないか」と疑っているが、
韓国国民の一般的な日常感覚では今のところそこまでは想像を
超える。
(ソウル駐在客員論説委員)

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