2018年8月13日月曜日

韓国、酷暑で崩れた「脱原発」政策

韓国は鉄道もそうだけど、電力業も国営なんだ、だけど不思議な事は
使用者側は各々個別に使用メーターが無くビルならビルに一つ
メーターがついて、使用電力をビル全体で割り勘するらしい。
しかも、変圧器など利用者が金を出し合って交換巣と聞くが、これじゃ
節電の概念はうまれないだろうよ。

韓国、酷暑で崩れた「脱原発」政策 無節操な文在寅大統領に
国民も首かしげ…

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猛暑が続き、原発の追加稼働に踏み切った韓国の文在寅大統領(AP)

かねて実効性が疑問視されてきた韓国の脱原発政策が
「夏本番」を迎えて荒唐無稽さを露呈している。
韓国も日本同様、連日の猛暑で電力使用量が急増。火力発電も
フル稼働で電力不足が懸念されることから、政府は原子力発電所の
追加稼働に踏み切った。
脱原発は60年にわたる長い計画で目先のことではないとはいえ、
危機に直面すると結局は原発に依存する文在寅(ムン・ジェイン)
大統領の節操のなさに、国民は皆一様に首をかしげる。やはり、
“人気取り”の政策だったとの印象はぬぐえない。

原発稼働率80%

「ソフリカ」。異例の暑さが続く韓国の首都ソウルはもはや
アフリカになったという意味の造語だ。
最近、韓国紙やインターネット上で目にするそのソフリカだが、
地元メディアによると、実際には赤道付近のエジプト・カイロより
暑くなる日があるようだ。

気温上昇とともに冷房利用で当然、電力使用量も増えるのだが、
電力需要は政府が見立てた予想を上回って推移。
全体の供給能力のうち使用しない電力量を示す「電力予備率」は、
韓国では一般的に2桁以上あれば問題ないとみられているようだが、
7月から10%を切る日が複数回に及ぶ。

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これを受け、文政権は今年3月時点で53%にまで下がっていた
原発の稼働率を8月に80%に引き上げる方針を決めた。稼働率は、
再稼働を前倒ししたり、点検のための運転停止を先送りしたりするなど

して引き上げる計画。
7月下旬に稼働した原発を含めると、電力ピーク期に計5基の原発を
追加稼働させるという。
予想外の酷暑が原発の必要性を浮き彫りにした格好だ。

韓国の朝鮮日報(日本語電子版)が伝えた電力取引所の公表データに
よると、7月第3週時点で石炭火力発電所は国内61基中59基、
液化天然ガス(LNG)火力発電所が237基中230基それぞれ
稼働した。稼働率はともに97%。一方、
同期間に原発は24基中16基が稼働。稼働率は60%超だ。
ちなみに政府が脱原発にかじを切る前の2016年7月に
稼働していた原発は20基で、今年よりも4基多い。
この時の稼働率は80%超だった。

火力はフル稼働状態で余地がなく、しかも代替電源がないことを
踏まえると、今夏の電力不足に対応するためには原発を動かす以外に
選択肢はない。
文氏とて逆らうことができない現実だが、文氏が引き上げる
原発稼働率の水準には驚く。脱原発政策を推進する以前とほぼ同じ
水準だからだ。それも、
日本のように節電への取り組みを広めるなど、追加稼働の前に何か
手立てを講じたわけでもない。脱原発を強調しながら、原発稼働率を
そのまま元に戻すというのはいまひとつ腑に落ちない。
類例のない猛暑のため、「原発の追加稼働やむなし」という雰囲気だ。

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文氏が決めた追加稼働について、韓国メディアは総じて
「猛暑に対応できず、あわてて原発発電量を増やした」と報じた。
そもそも政府は、原発なしに夏場を乗り越えることができるかどうか
真剣に議論せず脱原発政策を後押しするため、電力の需要を過度に
低く予想したのではないか、という疑問も広まっている。

中央日報(同)は、核原子炉専門家の朱漢奎(チュ・ハンギュ)
ソウル大原子核工学科教授が「(文氏は)脱原発を主張するが、結局、

原発が必要であることを自ら認めたということだ」と指摘したことを
伝えた。

あくまで「宣言」

これら一連の報道に対し、文氏は
「とんでもない歪(わい)曲(きょく)だ」と憤る。同紙によれば、
青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者も
「脱原発は長期計画であり、まだ政策に基づく原発廃棄は
本格化していない。
むしろ当分は原発発電量は増えるよう設計されていて、猛暑のために
原発の発電を増やしたというのは事実ではない」と反論する。
昨年末にまとめた「第8次電力需給計画」では、原発発電量は
23年まで持続的に増えるとしている。

「文氏の脱原発政策は国民受けを狙ったずるい話。電力ブレーンも
いないし、根拠に乏しい」。
韓国の電力事情に詳しい日本の専門家はこう述べ、思わず失笑した。
続けて、「政策の実現は60年先。一方、大統領の任期は22年で
再任禁止。しかも原発発電量は23年まで増える。これは、
それまで動かせる原発は動かすことができるということ。
脱原発を本気で実行するとしたらそれは次の大統領で、文氏は
あくまでも脱原発を『宣言した』にすぎない」と説明する。

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自分の任期中は何もしなくてもいいともとれる政策があまりにも
無責任すぎると見る向きも多い。
韓国の野党や原発関係者は「脱原発政策は廃止すべきだ」と反発を
強めている。具体的には追加稼働を決めた5基のうち、停止中の
原発の稼働を緊急に前倒しさせることなどが根拠だ。

インターネット上では「文氏の信念に基づいた
大規模ブラックアウト(停電)を見たかった」と揶揄(やゆ)する
声もあるほどで、おおかた脱原発政策の矛盾に気付いている。
中央日報は「今からでも非現実的な電力需給計画を見直し、脱原発に
対する国民の意見を公論化する必要がある」と主張する。
厳しい暑さが恨めしい文氏。拳を振り上げたままでは結果が伴わない
「言うだけ番長」のそしりを免れない。
(経済本部 佐藤克史)

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