2020年2月2日日曜日

2月2日 産経抄

中国の新型肺炎に、中国が初めて外国への渡航禁止をうちだした、日本では
コロナウイルスの分離報道があり特効薬は時間の問題とか、日本では、
武漢帰国者の受け入れ業務を担当していた役人が亡くなってるし「自殺」と推定
早く特効薬ができてほしいところだ。

2月2日  産経抄

空襲で焼け出された作家の内田百●(ひゃっけん)は戦後、東京の麹町に
土地を買った。
庭に池をこしらえ、母屋とは別に広さ3畳の離れも建てている。余人がよほど
疎ましかったらしい。訪客お断りの歌を詠んで門柱に張った。

▼〈世の中に人の来るこそうれしけれ/とはいふもののお前ではなし〉。
随分なご挨拶である。随筆にも「だれも上がらせないから、皆さんもそのおつもりに
願ふ」と書く念の入れようだった。
「禁客寺(きんかくじ)」と名付けられた庵の前で、鼻白むお客さんの姿が目に
浮かぶ。

▼お断りしたところで、家人の迷惑などお構いなしに上がり込む客もいる。
当節は新型肺炎を起こすコロナウイルスが、招かれざる客の筆頭だろう。
電脳空間にも不逞(ふてい)の徒がいて、コンピューターの誤作動を招く
不正ソフトは目を合わさずに締め出したい客である。

▼それにしても、情報という商品を収めた金庫にどんな錠前を付けていたのだろう。
中国系とみられるハッカー集団に攻撃されたNECである。
自衛隊装備に関する資料など、約2万8千点のファイルが流出した恐れがある。
部外者が出入り自由の金庫とはあきれる。

▼子会社のパソコンに仕込まれた不正ソフトから、安全管理の甘い領域に
侵入されたらしい。
宇宙・防衛産業を扱う三菱電機でも、情報流出が明るみに出たばかりである。
いずれも昨年以前の話というから、悪意に満ちた客にとって日本のサイバー空間は
楽園だろう。

▼余談ながら〈お前ではなし〉が効いたとみえ、禁客寺には百●もあまり足を
向けなかった。それに比べて国の重大事を扱う企業の接客の不手際はどうしたことか。観光名所でもあるまいし、千客万来では怖くてならない。
招かれざる客はこの瞬間も、日本を狙っているというのに。

●=門がまえに月  【閒】

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