2012年1月10日火曜日

民話 艶ばなし

むかしある村に百姓夫婦がおった。
先祖代々の働き者で、田畑はよそより倍は広い上、働き手が夫婦二人こっきりなもんで
隣村から、作男を雇っておったそうな。
ところが、この作男、体は人一倍おおきいくせに、どうも動作がとろくさい、あるとき亭主が
「おい、佐助、おまえはおらの倍の体してるくせに、野良仕事は半分くれえしかしねえ。
もっと働いてくれにゃ、給金だしてる手前困るだよ。」
佐助はふくれっ面をして、
「旦那様は今朝味噌汁と卵二つ、おらは卵ひとつじゃ、食うもんが半分じゃ仕事も半分しか出来んであたりまえじゃ。」
「なんじゃ、卵のことか、んなら早くゆえばええでねか、いますぐいって食うてこお、
かかあにゆうてはよう食わしてもろうてこお。」
佐助はポンと鍬を投げ出して女房のいる家へ走っていった。
「あのう、旦那様からかかさまに食わしてもろうてこい、といわれてきたす。」
女房は洗濯のため、ひざまでからげた着物のすそをあわててなおして、
『なんちゅうことをいうか、佐助気が狂うたんか。」
佐助はふんどしのすきまから手をさしこみ、己の一物をしごきながら
「旦那様がはよう食うてこっていったす、おねがいしやす。」女房は後すざりしながら、
「おめえ、嘘ゆうてんなら承知しねえど」と、窓から見える亭主にむかって
「ほんとに、食わしてええだかあー。」、すると亭主
「ああ、いいども、はよう食わしてやれ、はよう食わしてやれー。」
亭主がゆうなら仕方なか、と女房はごろっと板間の上のあおむけになった。
いきなり佐助が力まかせにいってきて、すんごい力でつき続けた。
女房は力強さにすっかり参ってでっけえ体にしがみつきおもわず声を張り上げて、何度もそりかえってはてた。
せっかく、亭主の許しがでているとからと、亭主に向かって大きな声で
「もうひとつ食わしてええだかあー。」
亭主は鍬をふりあげるのをやめて、「ひとつでええどー。」
『今度はおらがくいでー。」
「かかあ、腹へとっならおまえはイモを食え。」
女房が振り返ると佐助の一物が、また元気をもりかえしてピクピクうごいておった。
女房すばやくそれを口に含んで唇でしごいてやると、佐助がたまらず、女房の口の中にドクドクと白い液をだした。
「おら、これで十分だで。」、と出ていった佐助と入れ違いに亭主が家の中にいってきた。
女房の口からはみだす白いものを見て、
「おい、かかあ、イモを食えとゆうたに、おまえまで卵を食ったのか。」
女房、口のまわりをぬぐおうともせず
「いいや、イモじゃあ。」

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