2014年10月22日水曜日

幽霊職員、16万人

中華4000年の体質はそうは簡単に直らないだろう。

中国の公務員16万人が「幽霊」…反腐敗キャンペーンで上海ガニ、
月餅の売り上げ急減の怪
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香港で続く大規模デモ。傘下する民主化推進派の象徴となっている
「黄色い傘」は催涙弾などから身を守る盾になるという。
政府への不満は中国のあちこちにたまっている。(ロイター)

腐敗撲滅をスローガンに掲げる中国の習近平国家主席。「トラもハエも叩く」と
目を光らせてはいるが、中国の闇には「幽霊」までが潜んでいた。
仕事をしていないのに政府から給与を得ていた「幽霊公務員」が16万人も
いたことが判明したのだ。
日本なら政権が転覆しかねない大疑獄だが、さしたる波乱はなく、それだけ深い
中国の暗部を浮き彫りにしたともいえる。古来、政府腐敗が国の崩壊を招く元凶に
なるのは中国の歴史が示す通り。国の基盤に関わる重大な問題なのだ。

  綱紀粛正で「上海ガニ」「月餅」の売上減!?

  中国の「反腐敗キャンペーン」は思わぬところに飛び火している。

秋の味覚として珍重される上海ガニの売り上げが悪化して上海市では昨年の
シーズンよりも価格が最大30%も下落したという。共同通信が現地メディアの
報道として伝えた。

習指導部は、公費接待や贈答品購入を戒める綱紀粛正策を推進中。これにより、
上海ガニの「団体購入」なる大型需要が激減したとみられる。
上海市では国慶節(建国記念日)連休中の10月5日までの10日間で、
取引量は19%程度減ったという。

それだけではない。例年9月の中秋節に向けて盛り上がる「月餅」の市場は
先細りの一途だ。

政府が「月餅」に月餅以外のものを入れる「過剰包装」や公金で月餅を
購入することを規制したためだ。

月餅は、餡や木の実などを月にみたてた丸い形の生地でくるんだ伝統的な菓子。
お世話になった人に贈答品として送る習慣があるが、それは賄賂の
温床になりかねない。

  越後屋も腰抜かす「高級腕時計付き月餅」「現金入り月餅」…

CNNは昨年、新華社の報道として「月餅ギフトがエスカレート傾向にある」と
伝えた。それによると、
「高級腕時計付き月餅」「高級酒付き月餅」「高級茶付き月餅」のほか、
「現金入り月餅」もあわられた。

もはや、月餅なのか何なのか、分からない始末。まるで
  「越後屋、そちも悪よのうぉ」とニンマリする悪代官への贈り物のようだ。

政府は「『月餅と書かれた箱に月餅以外のものを入れることを禁止』する規制を
打ち出した。余計なものを入れさせない苦肉の策だ。

こうした措置がきいたためか、新華社によると、広州では今年の月餅の販売量は
前年より10%下落するとの予想もある。

「捏造ダメ」「セクハラダメ」「小切手もらうのもダメ」と大学教員にも

中国で、今年1~6月に立件された贈収賄などの汚職事件は1万9081件で、
前年同期比9・6%増。立件の対象人数も2万5240人と同5・4%増と
しており、汚職取り締まりの強化が進んでいる。

 摘発の一方、未然に不正を食い止める通達も目立っている。

人民網(電子版)によると、中国教育部は、大学教員に対して、
「レッドライン(厳禁行為)7カ条」をこのほどまとめた。

違反した教員は解任、除名の厳しい処分もありえるとの規定で、
驚くのはその中味だ。

 「7カ条」は教員として徳に背く行為として、示されている。

「国家利益に損害を及ぼす行為」「中国共産党の路線・方針に違反する行為」は
もちろん共産党支配下では厳禁だが、ほかの5つの厳禁行為には、
大学内の内情がうかがえるような内容だ。

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〈一、科学研究のデータの改竄・捏造、科学研究費の違法使用などの行為

 一、教学業務に影響を及ぼすような兼業、副収入を得る活動

 一、入学試験などでの汚職行為

 一、学生や保護者から贈答品、有価証券、小切手を受け取ること

 一、学生に対するセクハラ、学生との不適切な関係をもつこと〉

 これまで中国の大学の中では、どんなことが起きていたのであろうか-。

 
「幽霊公務員」…報告されていた

人民網によると、2013年度の新語トップ10には「中央八項規定」
(国家公務員の勤勉・倹約規定など)が入った。反腐敗キャンペーンの機運を
感じさせるが、実現の先は遠そうだ。

昨年の摘発の行為の結果、仕事をしていないのに政府から給料を受け取っていた
中国の「幽霊公務員」は16万2629人を支払い名簿から「削除」したという。
AFPが人民日報の報道として伝えた。

幽霊公務員は北部の河北省で多く、約5万6000人いた。チベット自治区、
上海にはいなかった。

働いていないのに給与を受け取っている公務員について、人民日報は
「組織幹部から最もよく報告されていた問題だ」と指摘したが、
放置されたいたのだろうか。

該当者は罰せられるというが、詳細は明らかになっていない。そもそも、
どんな給与システムになっていたのか。疑問はいくつもわく。

トラ、ハエ、キツネ、幽霊…

「トラもハエも叩く」と隈無く汚職を取り締まる意気込みをみせる
習近平国家主席。今年7月には、中国公安部が「猟狐2014」(キツネ狩り)と
名付けた海外に潜伏する腐敗官僚の摘発キャンペーンも始めたが、
トラ、ハエ、キツネに続き、幽霊までいたとは…。

政官の腐敗は国の根幹を揺るがすことは、長い歴史からの教訓になっている。
古くは中国・後漢末期の「黄巾の乱」(184年)。賄賂が横行した政治腐敗を
背景とした農民らの決起に位置付けられ「黄色の頭巾」が象徴だった。
その後の三国志の時代を迎えるきっかけとされる。

中華人民共和国の建国後すぐに行われた「三反・五反運動」も、公務員の
「汚職、官僚主義、浪費」と業者の「脱税、贈収賄、原料不正、国家経済情報の
悪用、横領」の払拭を目指した政治キャンペーンだったが、
腐敗との戦いはなお続いている。

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